当社は、2025年3月3日付「第三者委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、第三者委員会より調査報告書(以下「本件調査報告書」という)を受領し、2025年4月4日付「過去に公表した開示内容の経過等に関するお知らせ」のとおり、過去に適切に経過開示がなされていなかった事案について再発防止策を策定いたしました。
上記開示及び経緯書に記載し、これまで実施してまいりました再発防止策の実施・運用状況について、下記の通りお知らせいたします。
記
当社では、本件調査報告書に基づき、これまで適切に経過開示がなされていなかった事案(事業撤退に係る内容を含む。)についての訂正および中止の開示の経過開示を2025年4月4日に「過去に公表した開示内容の経過等に関するお知らせ」にて開示しており、また、当社には、経過報告として開示の必要性を判断する社内ルールや方針が整備されておらず、また適時開示に関するマニュアル等の整備が十分に行われていないなど、適時開示の実施並びに管理に関して、社内体制が不十分であった点についても本件調査報告書にて指摘を受けております。
上記の事情を踏まえ、本件調査報告書にて指摘された内容に基づき、再発防止策の立案及び実施策を策定し、またこれを以下のとおり実施・運用してまいりました。
(1) 情報開示責任者の新たな選任
【改善策】
本件調査報告書での指摘のとおり、当社の適時開示に複数の不適切な点が認められたことは、当時の情報開示担当役員であった現代表取締役である髙﨑正年の、誤った認識及びその改善可能性の乏しさが要因の一つであると認識しております。
このような認識を踏まえ、当社としては、2025年1月30日開催の取締役会において、取締役CFOに選定した加藤東司(以下、「加藤」といいます。)を新たに情報開示担当役員として選定いたしました。(中略)
東京証券取引所が開催する適時開示のセミナー等への参加を含む本人の研鑽を行っております。すでに、東京証券取引所がホームページ上で提供する適時開示担当者向けのセミナーは受講済みで、開示書類の印刷会社等の開催するセミナー等への参加、他上場会社の適時開示の事例研究等により、随時研鑽しております。
また、株式会社ステムリムをはじめとする複数の上場企業でのIR実務の経験、及び上場企業の適時開示に関するアドバイザーを務めた経験を有し、後記「② 適時開示に関するモニタリング体制の確立」のとおり、再発防止モニタリング委員会の委員として選定しております、当社執行役員の星野智之がサポートすることとしております。(以下略)
【改善状況】
上記改善策に記載のとおり、当社は2025年1月30日開催の取締役会において、取締役CFOに選定した加藤を新たに情報開示担当役員として任命いたしました。また、当社執行役員の星野智之がサポートを継続しております。
加藤は、当社情報開示担当役員への就任以降現在まで適時開示責任者として開示業務に従事しており、東京証券取引所の適時開示セミナーや法定書類等印刷会社が主催する各種研修を、就任日以降4月4日の再発防止策開示時点では1回受講しておりましたが、その後5回追加受講し、本日時点で計6回しております。引き続き、今後も3ヶ月間に1回程度の頻度で、各種研修を通じ有価証券上場規程等の各種規律・法令遵守意識の向上に努めております。
なお、加藤に対する研修の実施状況については管理表を作成し、研修実施の進捗状況の可視化及び、取締役会、モニタリング委員会による定期的な監視ができるような体制を整えており、研修実施内容についても取締役会及びモニタリング委員会において適宜報告を行っております。
【受講セミナー】

(2) 適時開示に関するモニタリング体制の確立
【改善策】
当社には、本件調査報告書の経過報告として開示の必要性を判断する社内ルールや方針が整備されておらず、また適時開示に関するマニュアル等の整備が十分に行われていないなど、適時開示の実施並びに管理に関して、社内体制が不十分であった点についても本件第三者委員会より指摘を受けております。
(中略)
当社では、新任の情報開示担当役員である取締役CFOの加藤を補佐し、また開示された内容の進捗を管理する体制を確立するため、モニタリング委員会を2025年4月下旬までに組成いたします。
モニタリング委員のメンバーは、今般の第三者委員会の委員を中心に、現在人選を進めており、モニタリング委員会の詳細を決定次第、速やかに、適時開示にてお知らせ致します。
なお、適時開示に関する社内ルール、方針、並びにマニュアル等については、2025年7月までにこれらの原案の策定を行うこととし、また、モニタリング委員会にて監修、助言、及び指導等を行い、2025年8月を目途に運用を開始してまいります。
(中略)
モニタリング委員会では、開示基準に該当するものとして行う義務開示、開示資料扱いでの(開示資料として登録する)任意開示、又は、PR情報扱いでの(PR情報として登録する)任意開示を実施する際において、エビデンスとなる資料等の確認等を開示の都度行い、業務の効率性等を重視してしまった結果による口頭ベースなどの裏付けのない状態での適時開示が行われないようなチェック体制の整備も行います。
また、2025年5月より、月に1回程度のモニタリング委員会による定例会を開催し、過去に開示された各プロジェクトについて、担当者からの報告に基づく開示内容の進捗の管理、2025年8月を目途に運用を開始する適時開示に関する社内規程、マニュアルについての準備状況の監修、適時開示の体制に関する検証、並びにモニタリング状況の報告を実施いたします。(中略)プロジェクト毎に適時開示あるいは任意開示すべきタイミングあるいは方針が異なりますので、そのときどきでタイミング及び方針等について、今後モニタリング委員会及び担当部門との間で、開示の内容及びタイミングについて協議を進めてまいります。
さらに、モニタリング委員会での報告事項として、個別案件ごとの適時開示の進捗確認及び方針の検討を継続的に議論してまいるほか、適時開示に係る担当者の継続的な研修について、具体的なプログラムの提案及び実施状況の確認を行ってまいります。なお、その内容については当社取締役会にも情報共有を行ってまいります。
さらに、適時開示の際における東京証券取引所との事前相談等のやり取りにおいては、情報開示担当役員が1名のみでやり取りを行うことなく、メール送信の際に、モニタリング委員及び複数の人員に「cc」を入れることをルールとし、本来開示すべきではない適時開示、任意開示については、モニタリング委員会が適時開示を中止することを取締役会、監査役会に提言してまいります。
【改善状況】
上記改善策のとおり、2025年4月28日付で取締役会の諮問組織としてモニタリング委員会を組成しました。モニタリング委員の構成は、以下のとおりであります。

2025年5月より毎月、モニタリング委員会による定例会を開催しております。主な活動内容として、新規事業を含む当社の各事業の進捗管理表に基づく開示内容の進捗管理、反社チェックの実施状況、新任の情報開示担当役員である取締役CFOの加藤の継続的な研修実施状況及び改善策の進捗状況について、実施状況の確認及び助言を行ってきました。これらの内容については、当社取締役会にも随時情報共有を行っております。
具体的に、モニタリング委員会では開示資料やエビデンスの確認を徹底し、口頭ベースの不十分な情報に依存することなく、正確な開示を実現する体制を整備してきました。また、定例会を通じて過去の開示内容や進捗状況を継続的に検証し、必要に応じて改善提言を行うことで、取締役会や監査役会に対する監督機能を強化してきました。また、適時開示に際して東京証券取引所との事前相談等を行う場合には、情報開示担当役員が単独で対応するのではなく、メール送信時にモニタリング委員及び複数の人員を「cc」に含めることをルール化し実施しております。さらに、本来開示すべきではない適時開示や任意開示については、モニタリング委員会が開示の中止を取締役会および監査役会に提言する仕組みを導入し、透明性と適正性の確保に努めてきました。
適時開示に関する社内ルール(規程)、方針、並びにマニュアル等に関しては2025年7月に原案の策定を行い、モニタリング委員会による指導等を経て、2025年8月26日開催の取締役会において「内部情報管理規程」、「職務権限規程」の改訂を決議いたしました。これらの改訂によって具体的には、情報取扱責任者を社長から情報開示担当役員へ変更するとともに開示事項が発生した際の決裁フローを修正いたしました。なお、開示事項の決裁フローにつきまして、従前は法定開示、適時開示についてその重要性に応じて決裁者が区分されており、社長決裁もしくは取締役会決議となっておりました。しかし、重要性の判断は社長が行っており、恣意性が介在せざるを得ない状況でした。決裁フローの改訂後は適時開示の発生事実については社長決裁、適時開示の発生事実以外及び法定開示は取締役会決議とし、社長個人の判断で開示要否が判断されない体制を整えました。また「フェア・ディスクロージャー・ルール対応マニュアル」を改訂し適時開示基準・軽微基準を明文化しました。これらの措置により、属人的な判断を排除し、開示の透明性と客観性を確保する仕組みに基づき、運用しております。今後につきましても、現状の透明性と客観性を確保できる体制を維持してまいります。
(3) 新規事業における人員体制の整備
【改善策】
本件調査報告書の「原因分析」での指摘のとおり、当社がこれまで新規事業を実施する際には、基本的には、情報開示担当役員であった髙﨑が発案し、必要に応じて外部とやり取りをしながら進めてまいりました。
(中略)
今般の改善策としては、情報開示担当役員については、事業推進担当の兼務を行わないことで、新規事業担当との相互チェックを図れる体制を、新たに制定する新規事業に関する規程に明記することにより、確立するほか、モニタリング委員会に新規事業の進捗を適宜情報共有することで、適切な適時開示を行う体制を構築してまいります。なお、新規事業の開始に関する社内規程については、2025 年5月までに策定することとし、今後新規事業を開始する際には、今後の取締役会において、事業の内容のみならず、新規事業の審議のプロセスや人員体制についての議論も行ってまいります。また、新規事業に関する規程及びプロセスを構築するまでの間は、新規事業の開始は行わない予定です。
【改善状況】
当社は2025年1月30日開催の取締役会において、取締役CFOに選定した加藤を新たに情報開示担当役員として任命いたしました。これにより髙﨑に集中していた事業推進と情報開示の職務を分離し、進捗状況を相互に監視できる仕組みを構築しました。現状では、情報開示の正確性と事業推進の健全性を両立させる体制が確立され、チェック機能が実効的に働くようになっています。
2025年6月13日の取締役会にて「リスク管理基本規程」、「コンプライアンス・リスク管理委員会規程」の改訂を行い、新規事業開始に際して必ず遵守すべきルールを明文化しました。これらの改訂によって具体的には、情報開示担当役員が新規事業の責任者を兼任できない旨を明記し、新規事業開始に伴う対外的なやり取りの実態確認体制の整備として、社内稟議申請時に関連メール等の裏付け証憑を添付する運用といたしました。併せて、事業ごとにチェックリストを作成し、想定される各種リスクを洗い出したうえで、その対策を文書化しております。チェックリスト及び関連する適時開示は、コンプライアンス・リスク委員会→モニタリング委員会→取締役会の順に回覧を行い、取締役会およびモニタリング委員会において議論できる体制を整備しました。これにより、事業開始前の検討プロセスが透明化され、経営陣による監督機能が強化されています。また、既存の新規事業については半年~1年程度を基準に進捗がなければ中止と判断し、適時開示を行うこととし、今後発生する新規事業については検討段階で撤退基準を設けております。
現時点までにおいて新規事業の事案が発生していないため、上記のフローに基づく新規事業の検討プロセスの実行はありませんが、今後の新規事業の検討事案の発生に備え、現状の体制を今後も維持してまいります。
(4) 反社チェック体制の整備
【改善策】
本件調査報告書の「原因分析」での指摘のとおり、第三者委員会の調査において、結果として反社会的勢力であると認定できる取引先との取引は認められなかったものの、必要に応じた反社チェックがなされておらず、情報開示担当役員であった髙﨑の判断のみで反社チェックの実施の有無が決定されており、またその結果が、取締役及び監査役に共有されておりませんでした。
このような第三者委員会からの指摘を踏まえ、今後は情報開示担当役員のみならずモニタリング委員会においても反社チェックの実施の有無を判断し、判断の結果、及び反社チェックを行った場合におけるその結果について、取締役会において報告する体制を確立するほか、関連規程の整備を2025 年6月までに実施することと致します。
【改善状況】
全ての新規取引先に対して反社チェックを実施する体制を制度化するために2025年6月までに「反社会的勢力チェックマニュアル」を新設し、同月より運用を開始いたしました。新たに作成した反社チェックマニュアルに基づき、契約締結前の商談段階におけるすべての取引先を対象とし、社内で標準化された反社チェックを実施するとともに、その時点で取引金額が20万円を超えることが見込まれる場合、契約時に取引金額が20万円を超えた場合若しくは会社が必要と判断した場合には重要性の高い取引と位置付け、外部調査会社を通じた反社チェックを追加して同時に実施しております。さらに既存取引先についても年度ごとの反社チェックの実施を制度化し、2025年10月に第1回目の反社チェックを実施しております。なお、当該チェックにおいて懸念のある取引先は抽出されておりません。
また反社チェック状況管理表を作成し反社チェック実施状況の進捗や結果を可視化する仕組みを導入いたしました。反社チェックの結果については月次で取締役会に報告し、監査役会及びモニタリング委員会とも共有する仕組みを導入しております。
以上の取り組みにより、当社は反社チェックに関する属人的な判断を徹底的に排除し、透明性と信頼性を確保する体制を構築・運用しております。
(5) 内部監査体制・内部通報制度の強化
【改善策】
不正行為に対するチェック体制を強化すると共に、そのチェック体制が機能しているかについてコンプライアンス室による内部監査を強化して参ります。
現状、管理部門4名、うち1名が内部監査担当を兼務しておりますが、2025 年10 月までに、内部監査担当を専任させ、新規事業を含む各事業の進捗状況が、会社が既に公表している内容と齟齬がないかについての確認を定期的に実施できるように致します。
また、管理部門については、現在4名の人員(うち1名は内部監査を兼業)が在籍しておりますが、2025 年10月までに1名増員し5名での体制としてまいります。
また、新規事業における対外的なやり取りの実態及び法的問題の有無等についても、管理部門によるチェック及び内部監査による確認を行ってまいります。
なお、社内の内部通報制度についても、制度の内容や、どのような場合に利用すべきか等を改めて役職員に周知し、制度の浸透を図ると共に、より活用のしやすい制度となるよう改善に向けて2025 年6月までを目途に継続的に検討して参ります。
【改善状況】
2025年10月にコンプライアンス室の内部監査担当として専任者を1名確保し、独立した内部管理担当を置きました。これにより、管理部門の人員増強ができ既存の4名に内部監査担当者1名を加えた5名体制となりました。専任の内部監査担当社設置により業務の安定性と監査機能の強化を図り、新規事業における対外的なやり取りの実態や法的問題の有無についても、既存の管理部門によるチェックと、内部監査による確認を確実に実施してまいります。
また、適切な内部通報制度の運用及び従業員が匿名で問題を指摘できる環境を整えることを目的として、2025年6月に「内部通報規程」及び「内部通報運用ガイドライン」の改訂案の策定を行い、2025年7月15日開催の取締役会において決議・施行いたしました。通報窓口は外部弁護士と社内取締役に設けられ、利用対象者は役員・従業員・契約社員・派遣社員・退職後1年の役職員・業務委託契約等に基づき業務を行うフリーランスの者(業務委託が終了して1年以内のものを含む)になります。通報はメールや電話を基本とし、必要に応じて口頭でも受け付けており、対象となる事案は、資産の損害、取引先との不当関係、情報の悪用、記録の改ざんなど法令・規程違反や倫理違反行為になります。受理された事案はコンプライアンス・リスク委員会が精査・調査し、結果を取締役会・監査役会へ報告し、違反が確認された場合は関係者に処分や改善指導を行い、再発防止策を講じる仕組みが運用されています。外部通報制度も創設し、自社WEBサイトのホームページから「ESG情報」に入っていただき、「コーポレートガバナンス」のページ下方に、「外部通報制度について」の説明に「外部通報窓口」のコンプライアンスホットラインとして、通報先を明示しております。
なお、内部及び外部通報があった場合にも、通報先に外部委託弁護士を設け、社外委員が過半を占めるコンプライアンス・リスク委員会で通報内容の精査・調査を行うなど、当社経営陣から独立した見地により通報、相談の内容について対応する窓口制度を構築し、令和7年7月15日より実施しております。
現時点までにおいて、実際の内部及び外部通報はありませんでしたが、今後もこの運用体制を維持してまいります。
以 上